2022年度第2回研究例会

投稿者: | 2022年11月11日

日本語プロフィシェンシー研究学会
2022年度第2回 研究例会
日時:2023年1月7日(土)
場所:京都外国語大学 873教室
形式:ハイブリッド開催(予定 状況によりオンライン開催への変更の可能性あり)

参加申し込みは終了いたしました

▼プログラム:
13:30~13:40 会長挨拶 鎌田 修
13:40~15:10 講演「L2使用者の自己成長とプロフィシェンシー」
                            奥野由紀子氏(東京都立大学)
要旨
講演「L2使用者の自己成長とプロフィシェンシー」
 近年SLA研究は、ソーシャル・ターンと呼ばれる転回によって、L2習得は、情意面などの心理面や人間関係、社会文化的な要因を含むより多様な観点から考える重要性が認識されるようになった。本講演では、あるL2使用者の10年間に渡る縦断的なプロフィシェンシーの発達を言語社会化に着目して示す。またそれは、L2使用者自身が目指す理想自己(ideal L2 self)に動機づけられた行為主体性によるものであることを、当事者の意識に影響を与える社会的および心理的要因を含め、複線等至性アプローチ(TEA)を援用しながら示す。L2使用者の自己成長を育む教育について会員の皆様と共に考える機会としたい。

15:10~15:20 休憩
15:20~16:00 研究発表 「中国人日本語学習者の句読点使用に関する分析-中国語の『流水文』の日中対照-」
            劉梅竹氏(京都外国語大学大学院生)
要旨 
研究発表「中国人日本語学習者の句読点使用に関する分析-中国語の『流水文』の日中対照-」
 中国人日本語学習者は作文を書く際、長い段落であっても句点を使用すべきところで句点を使わずに、読点で文をつなげるという特徴が見られる。一方、中国語には「流水文」という文構造があり、
多くの情報を読点で繋げていき、最後に一つの句点を打って終わるということができる。
そこで、本研究は新聞の社説を対象として、日中対照の観点から、中国語と日本語の句読点使用の共通点と相違点を明らかにすることを目的としている。
それによって、中国人日本語学習者の句読点使用の要因を明らかにしていく。

16:00~16:10 休憩
16:10~17:40 OPIブラッシュアップセッション
「OPIコーパスの活用方法を考えよう!~「住みやすい国コーパス」を題材として~」

過去2回のOPIブラッシュアップ・セッションでは、「OPIの考え方を活かした教育実践や研究」をテーマにした企画を行ってまいりましたが、
今回は「住みやすい国コーパス(https://sumiyasui.jpn.org/)」を題材として扱わせていただきます。
「住みやすい国コーパス」は、現在、村田裕美子(ミュンヘン大学)、宮野谷希先生(サラエボ大学)、守時なぎさ先生(リュブリャーナ大学)、中島晶子先生(パリ・シテ大学)、Irena Srdanovic先生(プーラ大学)、Divna Trickovic先生 (ベオグラード大学)、李在鎬先生(早稲田大学)(Web Master)の7名が中心となって開発している言語コーパスです。

2022年10月の時点で、ドイツ語話者の日本語学習者45名のOPIの音声を文字化したデータと、ドイツ語話者、セルビア語話者、クロアチア語話者の日本語学習者と、日本の大学生が「住みやすい国の条件と理由」というトピックで書いた意見文120名のデータが公開されています。
「住みやすい国プロジェクト」の研究メンバーの先生方はこのコーパスをもとに様々な研究を行われていますが、私たちの教育や研究の現場においてもこのコーパスが活用できないか、参加者の皆様とともに考えてまいりたいと思っております。
(ご注意:村田先生は本セッションにはご参加されません。)


17:40~17:50 事務連絡
18:30~20:30 懇親会