シンポジウムについて

投稿者: | 2021年2月3日

日本語プロフィシェンシー研究学会10周年記念シンポジウムについて

日本語プロフィシェンシー研究学会は、1999年発足の関西OPI研究会に端を発し、その後、2010年に「日本語プロフィシェンシー研究会」に改称、さらに、2017年には「日本語プロフィシェンシー研究学会」(JALP, Japanese Association of Language Proficiency)として現在に至っています。

発足当時は、OPI (Oral Proficiency Interview) という自然会話を面接上で実現し、そこから日本語の運用能力(プロフィシェンシー)の測定を目指す口頭能力測定法を主たるテーマに研究活動を始めましたが、徐々にOPIの枠にとらわれず、口頭能力以外にも広くことばの運用能力を研究する方向に発展し、その成果を2012年より発行を始めた学会誌『日本語プロフィシェンシー研究』で発表するようになりました。このような背景の中、発足10周年を記念し、2021年6月26日(土)〜27日(日)にJALP発足10周年記念シンポジウムをオンラインにて開催し、さらなることばの運用能力(プロフィシェンシー)研究の発展を目指すことになりました。

本シンポジウムはテーマ「日本語プロフィシェンシー研究、種は蒔かれた、その次は?」にうたわれているように、これまで蒔かれた多くの種を力強く実らせることを目的にしています。一般に、プロフィシェンシーという用語は第二言語(L2)に特化したことばの研究に使われますが、むしろ、母語 (L1)〜非母語 (L2)、日本語〜国語〜外国語〜手話、話しことば〜書きことば、読解〜聴解、ことば〜からだ、教育現場〜研究〜社会〜オンライン教育、などに横たわるボーダーを超えたことばの運用能力研究を目指します。しっかりと根付き、枝を伸ばし、いっぱい葉をつけ、そして、みごとな花を咲かせ、次の10年、20年へと成長が続く持続可能な学会になっていってほしいと思います。日本語プロフィシェンシー研究の可能性を知り、それを拡げる機会でもある本記念シンポジウムへの皆様の積極的な参加を心よりお待ちしています。