2019年度JALP春合宿

【お知らせ】2019年度春合宿は延期することとなりました。

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2019年度春合宿「ボーダーを超えろ」

日時:2020年3月28日(土)・29日(日)
会場:三保園ホテル( http://www.mihoen.jp/ )
静岡県静岡市清水区三保2108 Tel: 054-334-0111

▼プログラム(予定):
◆ 3月28 日(土)
 13:00-13:15 会長挨拶
 13:15-16:00 基調講演1+ワークショップ
米本和弘氏(東京医科歯科大学助教)
講演:「日本語とは誰のものなのかー私たちの考え方を縛る見えない線」
私たちは日々の生活や実践において、「日本語」や「日本語話者」の中に存在する多様性をどのように理解し、向き合っているのでしょうか。本講演では、応用言語学分野における多様性や複数性、重層性に目を向けた教育に関する議論を概観します。その上で、日本語によるコミュニケーションに対する柔軟な理解の必要性と、さらに、その理解促進のために日本語教育が果たす役割と可能性について考察します。
ワークショップ: 「見えない線の緩め方―セカイの日本語~みんなの声~―」
日本語でのコミュニケーションに対する柔軟な理解の促進を考える際、「国=言語=話者」という固定観念に対する「気づき」と「想像」が重要な役割を果たします。本ワークショップでは、カナダ日本語教育振興会・ヨーロッパ日本語教師会の共同プロジェクトの成果であるウェブサイト『セカイの日本語〜みんなの声〜』をもとに、多様な日本語使用者の声に耳を傾け、そして、どのように理解を広げることができるか検討します。
   基調講演2

小波津ホセ(BRAVO KOHATSU, Jose Raul)氏(宇都宮大学国際学研究科博士後期課程)
講演:「外国人労働者の子どもとしての経験 ―ボーダーを超えた生き方と研究への道―」
当事者研究の波は、1990年の入管法改正を経て来日した外国人第二世代にも訪れています。これまで、日本政府が約30年間で実施してきた対策の実情が支援者・研究者から語られ、研究蓄積が進められてきました。しかし、当事者視点の側面が欠落してきたことも事実です。近年、この偏った状況に変化がみられ、独自の視点に立った第二世代研究が登場し、日本社会への貢献がなされています。本講演は、外国人第二世代の日本での経験、研究への道、そしてボーダーを超えた生き方の一例を紹介します。

 16:00-17:15 研究発表1(ポスター発表)
 17:15-17:30 注意事項、宿泊案内など
◆ 3月29日(日)
 9:00-10:30 研究発表2(口頭発表)
 10:40-12:00  企画「OPI主要レベルのボーダーについて」鎌田修氏(日本語プロフィシェンシー研究学会会長)
 OPIにおいて、初級、中級、上級、超級それぞれのレベルを仕切る境界線は主要境界(メージャー・ボーダー)と呼ばれます。しかし、その認定は容易ではありません。このセッションでは、「しきい」や「かべ」にあたる主要境界とは何かについて、ボーダーを超える具体的な発話サンプル(否定的証拠)を観察することによって認識を新たにします。『OPIによる会話能力の評価〜テスティング、教育、研究に活かす』(2020 凡人社)を参照しながら進めます。