日本語プロフィシェンシー研究学会へようこそ


名誉会長・鎌田修先生、前会長・由井紀久子先生の後を受け、2026年9月に会長職を仰せつかることとなりました。日本語プロフィシェンシー学会(JALP)は、「関西OPI研究会」「日本語プロフィシェンシー研究会」を前身とする学会であり、その起源は1990年代まで遡ります。ACTFL-OPIワークショップの普及を端緒に活動を活性化させ、現在は試験技法の探求に留まらず、教育実践、学術研究、社会参与など広範な領域に対し、プロフィシェンシーの観点からアプローチが試みられるようになってまいりました。

振り返れば、「プロフィシェンシー」という用語が日本語教育界に十分浸透していなかった時代から、ことばの運用力に着目した先進的な活動が始まっていました。草創期にこの概念を教育現場に落とし込み、社会的意義のある活動へとつなげてこられた先人の皆様の地道な歩みに、深く敬意を表します。私自身はそのような草創期の歴史を直接体験してきたわけではなく、先達の皆様から学ぶべきことは尽きません。偉大な先達と同じ軌跡を辿ることは叶いませんが、未熟であればこそ、短い一歩も新たな一歩になり得ると考えております。私は、本学会史上最も頼りない会長ではございますが、些か図々しいという取り柄もございまして、会員の皆様を大いに頼りにさせていただいております。ともにJALPの新たな歩みを刻んでいきたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。

本学会の創立10周年を記念して刊行された『日本語プロフィシェンシー研究の広がり』(ひつじ書房)では、多角的な論考が7部門に分類・掲載され、本研究領域の豊かな広がりが示されました。そして今、その広がりは更なる加速を見せています。学会誌『日本語プロフィシェンシー研究』では「AI時代の言語教育」(第14号)や「Social Agentとプロフィシェンシー」(第15号)といった特集が組まれるなど、従来の枠組みを超えたテーマが次々と論じられています。研究大会でも多くの発表が披露されていますが、数だけでなく、毎回何かしら新しいテーマがあることに目を惹かれます。この視野の広さと機動性こそがJALPの大きな強みです。

プロフィシェンシーを扱う以上、「いま、ここ」で言語運用を取り巻くあらゆる現象が考察の対象です。言うまでもなく、学習者も教育者も時代や社会から切り離されては存在し得ません。時代の変化や社会のありようがことばの運用の現実に直結しているという点において、本学会は確固たる共通基盤を持っています。会員の皆様が日頃抱いていらっしゃる問題意識を、ぜひ大会発表や学会誌へのご投稿という形で発信してください。その知見の積み重ねこそが、JALPのさらなる個性と強みになると確信しております。

JALP会長・池田隆介(2026年9月)


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