日本語プロフィシェンシー研究学会昇格記念シンポジウム

 

日 時: 2017年10月1日(日)13:00より

場 所: 関西学院大学梅田キャンパス 10階 1004教室

 

▼交通アクセス http://www.kwansei.ac.jp/pr/pr_001746.html

キャンパスマップ http://www.kwansei.ac.jp/kg_hub/floor/index.html#10

▼参加費: 会員 無料/非会員 一回目お試しで無料。

但し、二回目からは要会費(2000円)。

参加申込フォームはこちら

▼プログラム:

13:00~13:15 会長挨拶「JALP ―これまでとこれから―」

鎌田 修(南山大学教授)

 

13:15~14:00 基調講演「見えないからこそみえてきた日本語の面白さ」

モハメド・オマル・アブディン氏(学習院大学法学部特別客員教授)

1978年、スーダンの首都ハルツームに生まれる。
生まれた時から弱視で、12歳の時に視力を失う。19歳の時、視覚障害者を支援する団体の招きで来日、福井の盲学校で点字や鍼灸を学ぶ。その後、ふるさとスーダンの平和を築くための学問を学びたいとの痛切な思いから、日本の財団から奨学金を受け、東京外語大大学院で研究者となる。犠牲者200万人、2005年まで20年に及んだスーダンの内戦の歴史を検証しつつ、2011年の南部独立後のスーダンを見守り、祖国平和のために発言を続ける。ブラインドサッカーの選手としても活躍しており、たまハッサーズのストライカーとして日本選手権で優勝を3回経験している。
http://www.poplarbeech.com/wagamoso/007244.html

14:00~14:50 アブディンさんとのOPIとそのまとめ

テスター:嶋田和子(アクラス日本語教育研究所代表理事)

 

14:50〜15:10 休憩:凡人社による書籍販売あり

 

15:10~17:00 パネルディスカッション

テーマ:「私の考えるプロフィシェンシー:表から、裏から」

司会:堤 良一(岡山大学社会文化科学研究科准教授)

 

由井紀久子(京都外国語大学)

「プロフィシェンシーでとらえる日本語教師能力―実践知解明の手掛かりとして―」

 

プロフィシェンシーの概念は、OPIや日本語能力試験等、言語遂行能力について使われることが多い。この概念を日本語教育能力のような仕事を遂行する能力についても用いることを考えてみたい。プロフィシェンシーは、言語運用能力として使われている文脈では、「課題遂行」と「熟達度」を含む概念である。日本語教育能力をプロフィシェンシー概念で捉えると、専門知識を運用・実践する能力ということになる。プロフィシェンシー概念を「課題」の観点から見るために、公開されているいくつかの日本語教壇実習のための評価表を検討すると、「語彙・構文の難易度は適切か」「ポーズを置いたり、ペースを調節したりするなどの調整がなされているか」等々、数多くの評価のポイントがあり、多焦点であることが分かる。「熟達度」の観点からは、「完全化」「問題解決への段階」「自己調整」「知情意の交流」の軸が抽出できる。これらを「分節化」「相互作用」「固有性」「類型化」「多元性」といった「現場の知」の構成要素と関連付けながら、日本語教師としての能力を検討してみたい。

 

 

長谷川哲子(関西学院大学)

「つなげるプロフィシェンシー ―接続表現の観点から―」
口頭表現に関わるプロフィシェンシーの要素の一つとして、どのぐらいの長さの談話をコントロールして話すことができるかという点がある。一定の長さと一定の構造を持った談話構成には多くの要因が関わるが、本発表では、コーパス資料をもとにした調査例の紹介を行い、日本語学習者および日本語母語話者の話し言葉における接続表現の使用を中心にした考察を行う。先行研究、ならびに日本語学習者および日本語母語話者の談話資料である「わたしのちょっと面白い話コンテスト」コーパスを使用した調査の結果、日本語学習者、日本語母語話者それぞれに特徴的な接続表現の使用傾向が観察されている。こうした使用傾向の差から、自分の経験としておもしろい話を語るというタスクの遂行に接続表現の使い方が関わっていることを示す。最後に、接続表現のような談話に関わる言語形式を扱った考察がプロフィシェンシー研究にどのように関わるか、問題提起を行いたい。

 

 

西村美保(清泉女子大学)

「多文化共生時代の母語話者のプロフィシェンシー」
本発表では、「在野の日本語教員」として活躍することが期待される日本語教員養成課程修了生が何を、どのように身につけることができるのかについて、サービス・ラーニングとしての日本語教育実習を中心に考えてみたい。共生日本語教育実習とも呼ばれる、地域日本語教育でのボランティア活動をすることによって身につけられる能力は、多文化共生社会において有用なものである。サービス・ラーニングとしての地域日本語活動は、在住外国人との交流を通じて、人間関係を構築しつつ日本語の自然習得を支援するものであると同時に、異文化を理解し、自身の「やさしい日本語」調整力を養うことにもつながる。また、学生が地域日本語教室を企画し活動すれば、自分で教案を作って一人で授業を進めるのとは異なり、チームでの協働作業であると同時に、PBL(project-based learning)でもあり、課題発見力や計画力、主体性、実行力、規律性などといった社会人基礎力を身につける絶好の機会となる。

 

楊 帆(中国・海南大学)

「ノンネイティブから見たネイティブのプロフィシェンシー」

 

外国人として、よく「日本語のどこが難しい?」と質問される。もちろん人によってそれぞれ難しく感じるところが違い、学習段階が異なれば、難しく感じる項目も変化して行く。日本語学習者からよく耳にする難しい事項には、「敬語」、「助詞」、「自動詞・他動詞」、「授受表現」、「指示詞」、「複合動詞」などなどがある。しかし、学習歴が長くなるにつれ、また使用頻度が高くなるにつれて、これらの難関はすこしずつ克服されていくものだと思われる。本パネルでは、たとえ上級の学習者でもなかなかマスターできず、難しく感じるものとして、スピーチレベルシフトとオノマトペの2つを挙げたい。スピーチレベルシフトは言語だけの問題ではなく、日本文化、日本人の人間関係の扱い方などさらに深いものと密接な関連がある。異文化を背景にした学習者はたとえ言語そのものが上達しても、日本文化的発想のしかたがわからなければ、言語能力もより上のレベルに到達しにくい。オノマトペの学習はただ語彙の習得という問題ではない。たとえ語彙として覚えたとしても、微妙なニュアンスの違いがあるため、自然習得以外の学習者にとってマスターすることは至難のわざである。これら2つのことをマスターできれば、話すことにおいて真のプロフィシェンシーが体得できるだろうと思われる。

 

17:30~19 : 30  懇親会

会場:花様(かよう)
〒530-0012  大阪府大阪市北区芝田1-7-2 阪急かっぱ横丁2F
https://r.gnavi.co.jp/k447404/
会費:4000円予定(飲み放題付き)

 

*アブディンさんについて:『わが盲想』(ポプラ社)の裏扉より

1978年スーダンの首都ハルツームに生まれる。生まれた時から弱視で、12歳の時に視力を失う。19歳の時来日。福井県立盲学校で点字や鍼灸を学ぶ。その後母国スーダンの紛争問題と平和について学びたいという思いから、東京外国語大学に入学、同大学院で研究、(中略)、この世でもっともうまいと思っている食べ物は寿司。広島カープの大ファンで、好きな作家は夏目漱石と三浦綾子。ブラインドサッカー(視聴覚障害者サッカー)の選手としても活躍〜〜。Twitterアカウント:@Abdhinkun

(鎌田による追加)アブディンさんは様々な社会活動も行われ、「天声人語」など新聞紙上でもしばしば取り上げられています。
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私は10数年前アブディンさんにお会いし、OPIを行いました。とても印象的なお話を楽しむことができたのをよく覚えています。今回は、彼の講演に続き、嶋田和子さんに公開OPIをお願いすることになっています。以前にもまして、磨きのかかった日本語が聞けるのではないかと楽しみにしています。素晴らしい秋の一日になるのではないかと思います。乞うご期待!

皆様のご参加を心よりお待ちしています。

2017度第2回研究例会申込フォーム

2017年度第2回研究例会に参加される方は以下のフォームにご記入の上送信ください。  

【お知らせ】第2回研究例会(2018/1/6)

2017年度第2回研究例会が2018年1月6日(土)に開催されます。 今回の講演は「日本語のプロフィシェンシーは一人のものか」 講師:トムソン木下 千尋氏(The University of New South Wale

【募集】研究発表とOPIブラッシュアップセッション

2017年度第2回研究例会の研究発表とOPIブラッシュアップセッションを担当してくださる方を引き続き募集中です。 ご応募お待ちしております。 【応募方法】 ▼応募締め切り:2017年12月4日(月) ▼応募方法:以下の情

2017年度第2回研究例会

2017年度第2回 研究例会 日時:2018年1月6日(土)13:30~ 場所:京都外国語大学 452教室 ▼交通アクセス http://www.kufs.ac.jp/aboutkufs/campus/access/in

学会昇格に伴うお願い

会員の皆様 日本語プロフィシェンシー研究学会事務局の阪上彩子です。 おかげさまで10月1日からJALPは学会として活動を始めることとなりました。 学会になりましても、会長がおっしゃる全員参加型の姿勢は変わらず、和気あいあ