日本語プロフィシェンシー研究学会 2025年度研究大会
▼日時 2025年8月8日(金)午後、9日(土)午前
▼場所 京都外国語大学(大学HP) R452教室
▼テーマ 「再考:教育の場は社会を反映できているのか!?」
▼プログラム
8月8日(金)
13:00 開会
13:10-15:10 研究発表[Zoom配信あり]
15:10-15:30 休憩
15:30-17:00 ワークショップ:南浦涼介先生(広島大学)[講演部分のみ配信あり]
「能力」という名の光と影─子どもと学校の関係からゆたかさとかしこさの接点をさぐる
近年の日本の公教育で重視される総合的なコンピテンシーと,言語教育で検討されるプロフィシエンシーの概念は系譜の違いという点を持ちながらも総合的な能力という点においては類似し,今後も接近しあうだろう。例えば,外国につながる子どもたちはこの両者の交差点にいる。一方で,子どもたちの教育において「能力」概念は光と影を併せ持つ。たとえ教科学習でも明確な能力に還元しえない面も多い。しかしマイノリティの教育はその状況自体が教師や支援者を「能力形成」に押しやりやすい。子どもたちの育てと力の捉えにおいて,「能力」との冷静な距離を持ちながら,しかし知的なものに触れていく接合点はどのようなものか,それを検討したい。
17:45- 懇親会
8月9日(土)
09:30-10:30 ポスター発表[対面のみ]
10:30-10:45 休憩
10:45-12:45 講演:佐藤慎司先生(プリンストン大学)[講演部分のみ配信あり]
「社会・文化とプロフィシェンシー ―「社会を反映する」という発想」
プロフィシェンシーは「現実生活における機能的言語能力(鎌田・山内・堤2009)」と定義されることが多い。例えば、依頼、勧誘といった機能的な課題が「言語を通じてどれだけ効果的に適切に遂行できるか(OPI Tester Training Manual 2012)」を示すものであるとも言える。そして、機能的言語能力は社会・文化を反映してもいると考えられる場合も多いが、その社会・文化はだれが作っているのだろうか。本講演では、発表者が実践した米国日本語学習者と日本の日本語教育演習履修者の共同プロジェクト活動を分析することで、プロフィシェンシー概念は常に形成途上にあるものであり、ことばの教師を含む言語使用者すべてがその構築に関わっていることを再確認したい。
13:00 閉会
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